悩んでる人
こんなお悩みを解決します。
今回は片付けがテーマですが、「部屋とか机をきれいにしましょう」「皆でミニマリストになりましょう」というのが話の趣旨ではありません。
「きれいにそろえる」というのは勿論大事ですが、キレイにすることを目的としてしまうと、片付けることに必要以上の労力を割いてしまいます。
片付けの本当の目的は、大切に使える時間やお金、集中力を最大化することです。
メンタリストDaiGoさんは
DaiGo
TOYOTA
ここでは心理学を基に片づけの方法をご紹介いたします。それでは早速やっていきましょう。
片付けのPOINT
- 何故人は散らかしてしまうのか
- 片付けないことの悪影響
- 心理学を基にした片づけ方
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何故人は散らかしてしまうのか

片づけのちょっとしたコツは「捨てる」「配置する」「片付けなくてもいい環境にする」ことですが、捨てるという行為が一番難しいです。
何故捨てることが難しいのか
片付けに悩む人は「中々モノが捨てられない」という問題を抱えています。
これには二つの心理的特徴が関係しています。
- 損失回避の法則:人は損をすることに非常に警戒をする
- 保有効果:自分の所有しているものに対してより高い価値を感じてしまう
ここで面白い実証データがあります。
- 被験者に花瓶を見せて「いくらで売れると思いますか?」と質問する。
- 同じ花瓶を被験者にプレゼントした後で「もし、私がその花瓶を買い戻すとしたら、いくらで譲ってくれますか?」と質問しする。
この実験で、被験者がつけた値段の平均値は②のほうが高くついたそうです。
人が自分のモノの価値を高く評価する、人は損をしたくないという心理を見事に実証しました。
①と②の金額差が大きいほど、あなたの、モノに対する依存度が高く、中々捨てられない心理状態である可能性があります。
マインドを切り替える
片付けができるようになるには、まず片づけの方法を紹介するよりも、「捨てたら損」を「捨てなきゃ損」に変換する必要があります。
「捨てなきゃ損」を頭に入れるためにまず、片づけをしないことでどんな悪影響がでるのかを考えます。
片付けないことの悪影響

片づけないことによる影響は主に3つあります。
- 時間のムダ
- コストのムダ
- 負の連鎖
時間のムダ
片づけをしていない、散らかったデスクを想像してください。

この状態で上司から「先週のあの資料、もう一度見せて」と言われたときに、散らかっていると目当ての資料が見当たらず
- 「あの資料どこにあったけな~」と探す時間のムダ
- 探した結果「これですかね?」と表紙が似ている違う資料を提示してしまった間違えるムダ
- 「分からないので、もう一度印刷してきます」と言って取りに行くムダ
さらに1年続くと20時間と、どれだけ時間が無駄になるかが想像できます。
コストのムダ
ずっと使っていない車やバイクの維持費や、駐車料金が発生することは想像しやすいと思います。
他にも、溜まりこんだ衣類やモノを必要最小限に抑えられれば2LDKのところを1LDKで本当は住めたとすると、それだけで月々の家賃の差はバカになりません。
更に衣類はため込む程洗濯やクリーニングに出す手間とコストが発生します。モノを持つことはコストがかかっていることを認識しましょう。
負の連鎖
これは建物の窓が壊れているのを放置すると、その付近で犯罪が発生しやすくなったり、不法投棄が増えるなど負の連鎖が発生するというブロークンウィンドウ理論があります。

実例
ある郵便受けの近くの壁に落書きがあったり、付近にごみが捨ててあったりする場合、その郵便受けから荷物が窃盗される確率は、キレイにしている郵便受けよりも2倍以上になったといわれています。
このように、散らかした状態のままでいると、様々な害を呼び込んでしまいます。
心理学に基づく片づけの方法

散らかった状態での悪影響が大きいことが分かった所で、改めて片づけの方法についてお話します。
片づけの手順
- 捨てる
- 配置する
- 片付けなくてもいい環境にする
手順1:捨てる

まず、「捨てる」
これができれば片づけの7割は完了したといってもいいでしょう。
最初に考えることは「いらないモノ」ではなく「いるモノ」から考えることです。
新聞を読むときに、まず読まない記事から探す人はいません。
味噌ラーメンが食べたいのに味噌ラーメン以外を取り扱う店舗から消去法で探す人もいないと思います。
捨てることも同じで、散らかった部屋を見渡して最初から消去法でいらないものを探すのはしんどいものです。
それだけで片づけを先送りにしてします。
自分がときめく大切なものを残してそれ以外を捨てるという考え方から始めます。
自分のときめく大切なものを残す
自分がときめく大切なものを明確化する具体的なアクションは自分の理想の一日を行動レベルで朝昼晩で箇条書きして、その行動にはどんなモノが必要なのかを整理してみることです。
理想の一日に登場するモノこそが自分がときめく大切なものになります。
具体例

例えば朝は、新聞を読みながらコーヒーを飲むのであれば、その日の新聞とコーヒーメーカが必要。
昼はジムと撮影に出かけて、趣味の読書をするのであれば出かける服・靴、トレーニング用品、スマホやカメラ、スイカ、本、音楽プレイヤーが必要
夜は映画を見てゲームをするのであれば、パソコンやPS4など、なるべく具体的に理想の一日を想像します。
季節によって趣味が変わる場合
夏は登山・冬は釣りと季節ごとに趣味があるのであれば、理想の一年も描くことで本当に必要なものは何かを見極められます。
つまり、このリストに存在しないものは便利なものであっても不要なものになります。
皆を悩ませる”ちょっといいモノ”
よし、必要なものを選択できたので、それ以外は自動的に捨てましょう!と、分かっていても捨てられない人を悩ませる最大のモノがあります。
それは、いつか使うだろうといった、いわゆる「ちょっといいモノ」です。
例えば、1回しか着ていない3年前に購入したセーターとか。もう着ないだろうと思っているのにそれがブランドものであれば尚更捨てる勇気が持てないでしょう。
これも損失回避の心理です。
“ちょっといいモノ”を捨てる方法
ちょっと良いモノを、すごく良いモノにランクアップするお勧めの方法はフリマアプリに出して、今後自分にとってすごく良いモノに交換するための資金に充てることです。
自分に必要のないちょっといいモノは、他人にとってはものすごく良いモノである可能性があります。
ただで捨てるものではないので、損失回避できますし、フリマアプリであれば自分で好きに金額を設定できるので、保有効果も満たすことができます。
手順2:配置する

重要な事は「必要なものを必要な時に必要なだけ取り出せるようにする」ことで、理想は5秒以内に必要なものが取り出せるかの判断でモノを配置します。
つまり、使う頻度が高い順に分類して、お置く所を決めます。
使用頻度の高いお気に入りの洋服を、クローゼットの奥深くに毎回しまうなんて人はいませんよね。
家の場合、よくつかうものはインテリアとして目に見える位置に置き、収納ボックスは極力処分しましょう。
収納ボックスにしまって数か月たてば中に何が入ってるかなんて忘れてしまうことがよくあります。
モノは使ってこそ効果があります。
具体例:家の本棚

本棚に今ハマっている漫画を置くなら、かがむ必要のない目線から腰までの高さに配置します。
使用頻度の低いものほど遠くに置きます。
つまり遠くにあるものほど先に処分する対象になるなど、次の片づけもやりやすくなります。
具体例:オフィス机

オフィスの場合も一緒です。
右利きの場合、デスク上は左サイドに携帯右サイドに筆記具・メモ帳・今日使う書類を置きます。
更に引出しの中にはよく使う書類・月1回使う書類・クオーターに1回しか使わない書類のように大きく分類し、頻度が高い程自分の近い位置にしまいます。
手順3:片付けなくてもいい環境にする

片付けなくてもいい環境にするPOINT
- 定位置を決める
- モノを溜めない
- 香り
定位置を決める
これは使ったものは元に戻すという当たり前のことですが、定位置を決めるように箱やテプラで収納場所がわかれば迷う必要もなくなりますし、「鍵どこやったけな~」と探すこともなくなります。
特におすすめはバッグインバッグを使用することで、バッグの中身も定位置を決めることです。

社員証や携帯・本やパソコンなどでごちゃついたカバンだと、使いたいときにモノを取り出せなくなるのと同時に、レシートやごみも入れてしまいがちになります。
これもブロークンウィンドウ理論ですね。
トートバッグでお出かけのサラリーマンには特におすすめの方法ですので参考にしてみてください。
営業の私が実際に使用しているのは、無印良品のA4ナイロンメッシュのバッグインバッグです。
軽いことと、合計5つのポケット、更にマチがあるのでとても使いやすいです。
バッグインバッグの外には本と手帳、書類入れのみなので、どこに何があるのかバッグを見ないでも取り出せますし、バッグを変更する際も、バッグインバッグごと、ごそっと移動すればほぼOKなのでとても快適です。
モノを溜めない
モノを溜めない方法としては「ワンインワンアウト」の手法がお勧めです。

服を買ったら古服を1着処分する。などのように出し入れを行うことで家の中を常にため込まない空間づくりにすることができます。
処分する対象のモノの決め方は、使用頻度や自分がときめくものであるかの判断です。
また、これを捨てたらもう一度購入するか?の判断で自問自答するのも一つの手です。
いや、買うほどじゃないなと思ったらそれはもう処分対象になります。
香りの効果
これは意外なことに芳香剤やアロマで石鹸のような清潔感のある香りには「キレイな空間にしようとする」心理効果が働きます。

たしかに散らかった部屋ってアロマが炊いてあるイメージはないなと。
きれいなホテルとかは良い香りがするのはそういうことだったのかととても意外な方法ですが、効果はてき面です。
まとめ
人は損失回避と保有効果の心理的法則により中々捨てられない環境を自分から作ってしまいがちですが、散らかった状態には時間もコストも掛かって負の連鎖が発生するため、片付けないことによる悪影響はとても大きいと知ること。
そのため、まずは自分の理想の一日を描くことでお気に入りのモノを定め、不要なものは処分し、ちょっと良いモノはフリマアプリを使用することですっきりさせる。
そして目に見える位置にモノをインテリアとして配置をすることで、5秒以内に必要なものを取り出せるようになり、不要な収納も処分できます。
収納してしまうと、人はそのモノに対する認知度が下がって使わなくなってしまいます。
片付けなくてもいい環境にするためのワンインワンアウト・モノの定位置を決めることで、ため込まない環境と、アロマの効果でさらにキレイに維持する心理状態にすることができれば、大切に使える時間やお金、気持ちまでもがスッキリする、というそんなお話をさせて頂きました。