悩んでる人
ビル・ゲイツ、バラク・オバマ元アメリカ大統領も大絶賛した、世界で100万部の大ベストセラー「ファクトフルネス」をご紹介いたします。
名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ
ビル・ゲイツ
思い込みではなく、事実をもとに行動すれば、人類はもっと前に進める。そんな希望を抱かせてくれる本
バラク・オバマ元アメリカ大統領
特にビル・ゲイツは、2018年にアメリカの大学を卒業した学生のうち、希望者全員にこの本をプレゼントしたほどです。
賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。
世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキルが「ファクトフルネス」なのです。
目次
みんなが同じ勘違いをしている
「ファクトフルネス」では、世界の基本的な事実にまつわる13問のクイズを3択で紹介していまず。たとえば、
世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
- 20%
- 50%
- 80%
いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?
- 20%
- 50%
- 80%
適当に答えただけでも正答率は3分の1のはずです。
しかしどの質問も、大半の人は正解率が3分の1以下で、ランダムに答えるチンパンジーよりも正解できないという結果になったのです。
しかも、専門家、学歴が高い人、社会的な地位がある人ほど正解率が低い。
その理由は、本能が引き起こす思い込みにとらわれてしまっているからなんです。
「思い込み」とは具体的にどんなものか。
「思い込みを克服する習慣」とは。について深堀していきます。
世界を4つの所得レベルで考える

こんな思い込みをしている方は意外と多いのではないでしょうか。
- 世界では、戦争や暴力、自然災害、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている。
- 何も対策しなければ自然資源はもうすぐ底をつきてしまう。
- 富裕層は、より一層金持ちになり、貧困は増え続けている。
悩んでる人
日本という先進国に住んでいるわたしたちは、「日本国外では、困窮した生活を送っている国が多い」と思い込んでるケースが多いようですが、現実にはそうではないのです。

また、世界人口70億人の人口を、1日あたりの所得をベースに、4つのレベルで見える化していきます。


貧困の人口が10億人いるのは事実
日本の大半の方が属しているのはレベル4で、10億人がここに分類されます。
一方で、貧困層が多いと思い込みがちな、貧困に悩んでいるレベル1の人々も、世界に10億人いるのもまた事実です。
人類の91%はレベル2(中所得者)以上
レベル2以上の中所得の国と高所得の国を合わせると、人類の91%になり、そのほとんどは「グローバル市場」に取り込まれ、徐々に満足のいく暮らしができるようになっています。

貧困の国でも平均寿命は62歳
実はレベル1の国でも生活水準は以下の通り保たれているのです。
- 平均寿命は62歳
- 食料不足はほとんどない
- ある程度安全な水道水を飲める
- ワクチン接種している子どもは多い

このように所得の分布で見ても、世界は分断されているわけではないことが分かりますね。
「分断本能」が思い込みを創る

人は何事も2つのグループに分けて考えたがります。(分断本能)
- 良いか悪いか
- 正義か悪か
- 自国か他国か
なぜ分断してしまうのか
2つのグループに分けて考えるのはシンプルで、直観に訴える力があります。
これが「世界には分断が存在する」とい考え方が根強く残っている理由です。
そしてこの考え方が、現実の世界の見方に大きなバイアスをかけています。
悩んでる人
ひぐらし
分断本能を抑えるファクトフルネス

分断本能を抑えて、現実を正しく見るためには、次の3点を意識します。
- 平均の比較
- 極端な数字の比較
- 上からの景色
平均の比較
平均は、情報を素早く伝えられる上に、役立つヒントを与えられることが多いです。

しかし、それを単独で用いた場合、分布が隠れてしまうという欠点を持っています。

このように独立した数字は、分断を際立たせます。
しかし得点分布にしてみると、2つのグループはほとんどが重なり合っていることが分かります。
違いは、分布のわずかなピークのずれに過ぎないのです。
極端な数字の比較
世界で最も格差が大きいといわれるブラジル。
そこでは裕福な10%の人々が、ブラジル全体の41%を懐に入れています。

しかし、こうした事実の中でも、実際のブラジル国民の大半は、極度の貧困から抜け出し、レベル3の生活を送っています。
バイクや眼鏡を購入し、貯金をすれば、子どもを高校へ行かせることのできる世帯です。
上からの景色
レベル4の生活を送っている人(特に先進国民)には、レベル1~3は、みな同じくらい貧しいように見えがちであると「ファクトフルネス」では指摘しています。
しかし、当人の人々にとっては、レベル1~3の違いは非常に大きいのは事実です。

ドラマチックすぎる「分断された」世界の見方の代わりに、4つのレベルで考える。
これが「ファクトフルネス」が伝授する「事実に基づいた思考法」の1つとして最も大切なポイントです。
貧困は少なくなった
「世界はどんどん悪くなっている」ということが思い込みであることが分かりましたが、
実際には、数えきれないほどの「小さな進歩」の繰り返しが世界を変え、数々の奇跡を起こしてきたという背景があります。
レベル1に暮らし、1日2ドル以下で生活をしている人々の割合は、1997年には世界の人口の29%を占めていましたが、2017年には9%まで下がっています。

今、世界の大部分は、真ん中のレベル(レベル2or3)に暮らしています。
これは1950年代の西ヨーロッパや北アメリカと同程度の生活水準なのです。

寿命は延びている
もうひとつ、世界の平均寿命を見ていきましょう。
1973年は約60歳でしたが、現在は70歳になりました。

これは高所得国だけの数字ではなく、わずか40年の間に世界全体で10歳も寿命が延びたのです。
このほかにも、世界がどんどん良くなっている具体例としては以下があります。
- 1960年以来、児童死亡者数は年間2000万人から年間600万人に急減している
- 21世紀に入ってからの10年間で飢餓の子どもの割合を42.5%から29.4%へ改善
このような事実があるにも関わらず「世界はどんどん悪くなっている」という思い込みからなかなか抜け出せないのは、
その原因は「ネガティブ本能」にあります。
ネガティブ本能を抑えるファクトフルネス

「世界は良くなっている」といっても、万事オーライというわけではありません。
例えば、コロナウイルスの波が収まってきたとはいえ、ウイルスが活発になる乾燥の季節が近づけば、注意深く生活していかなければいけません。
また、悪いニュースは良いニュースよりも広まりやすい特徴があります。
なぜ悪いニュースは広まりやすい?
メディアや活動家は、人々のネガティブ本能に訴えかけて利益を得ようとする、と「ファクトフルネス」では指摘しており、
良心的な報道機関でも、中立の立場で、このドラマティックでない世界を伝えることは難しい、とも表現しています。
こうして、良いニュースはわたしたちの耳に入ってきづらいのです。
いっぽうで、良い変化が起こっていることは統計を見れば明らかであり、それは自分たちで探すことできづくしかないのです。
少なくとも「悪いニュースのほうが広まりやすい」と心得ておけば、毎日ニュースを見ても絶望する必要はないのです。

「なにひとつとして世界は良くなっていない」と考える人は、次第に「何をやっても無駄だ」と考えるようになります。
そして、世界を良くしようとする施策にも否定的になってしまいがちです。
まとめ
- 世界はどんどん悪くなっている
- 社会は分断している
- 環境は悪化している
人々が世界を誤って認識している原因は「本能からくる思い込み」です。
「ファクトフルネス」を日常に取り込むことで、そうした思い込みから脱して、、事実に基づく世界の見方ができるようになるのです。
そうすれば、判断力が上がり、何を恐れ、何に希望を見出すべきかを見極められるヒントになります。